実写版アラジン、アニメ版との違いに楽しめなかった。
ディズニー映画 実写版アラジンが大ヒットですね。
私も観てきました。
タイミング的には、金曜ロードショウでアニメ版アラジンが放送された後に観に行きました。
今まで人生の中で、アニメ版アラジンを何度も何度も観てきました。
だからこそ言えます。
実写版アラジンは、アニメ版アラジンの実写化ではなく、かなり変更されて作られた亜種であると。
だから私は、これから実写版アラジンを観に行かれる方に、絶対にアニメ版をおさらいせずに観てほしい。
私が気になってしまったキャラクター設定の違いと歌詞の違いについて述べていきます。
キャラクターの設定が違う(ネタバレあり)
登場するキャラクターがそれぞれ結構違います。
ジーニー
実写版をすでに観た方はジーニーの設定が違うことはお気づきだと思います。
アニメ版ではアラジンのおかげで自由になったジーニーは腕輪が取れただけで魔人のまま、魔人の力を使って世界中を自由に旅して飛びまわる。
実写版ではアラジンのおかげで自由になると腕輪が取れて人間になり、ジャスミンの侍女ダリアと船で旅する。
なぜランプから自由になると人間になるのか意味が全く分からない。
実写版で途中フラグが立った瞬間嫌な予感しかしませんでした。
ストーリー上必要だったのかどうかという点でも、不要だったのではないかと思う。
序盤のストーリーテラーがアニメ版だと商人、実写版では船旅をする人(人になったジーニー)。
アニメ版商人は売り物のランプの魅力を私たち視聴者に話す形でアラジンのストーリーがはじまる。
実写版では、船旅をする人が子供にある街で起きた不思議なできごとの話をする形でストーリーがはじまる。
好みの話かもしれないが、どちらのほうが引き込まれるかと言われれば、商人が私たち視聴者にむかって話しているほうが私は引き込まれる。
アニメアラジンは結構メタっぽい演出が多い(キャラクターが視聴者に向かって話しかけてくる)ので、なおさらこの導入がよかったです。
ジャスミン
ジャスミンが結婚を拒む理由が明白に違います。
アニメ版ではちゃんと恋愛をした相手と結婚したい、自分で選んだ相手がいい。
実写版ではよそ者が王様になって国を治めるのは国民がかわいそうだし、国のことを愛している自分が王様になったほうがいい。女が王様になった前例がないからなれないなんておかしい。だから結婚しない!今回来た他国の王子アホほっぽいしもっとイヤ!
実写版ジャスミンが結婚したくない理由はああいえばこういう感じでふわふわしています・・・。
しかも、実写版ジャスミンは父サルタンに認められて王様になり、王様は法律を変えられると言われジャスミンはアラジンと結婚する。
王様になったら国民を幸せにするんだ!と息巻いていたが、王様になり一番最初にしたことが、「結婚相手が王族でなくてもいい」と法律を変えたこと。
めっちゃ自分のために法改正・・・。
というか、新曲で逆境に負けず自分の意見を殺さずに立ち向かうことを力強く歌っていましたが、アニメ版のジャスミンはかなり気が強く、アラジンの隠れ家に向かうときもアラジンがかけてくれた橋を渡らず自ら棒高跳びをします。
きつく守られた存在でもねじ伏せられる存在でもなく、アニメ版ジャスミンは自分で道を選び、切り開いていきます。
ジャファー
アニメ版ジャファーは出身元等明かされていません。しかし、国務大臣になるほどですから、きっと家柄がよかったりいい学校に行ったりしていたのではないかと考えられます。
実写版ジャファーは、まさかの元盗人。もともと牢獄に囚われていたが、その野心で国務大臣にまでのし上がったと。
そんな奴が国務大臣になれるような国家がどこにあるのだろうか…。
サルタン
ジャスミンのお父さんであり、アグラバーの王様、サルタン。
アニメ版では、かなりポンコツで丸っこくてかわいらしいです。国政をジャファーに乗っ取られるのも頷けるほどポンコツ。
実写版では、そんな感じがしない。普通の人。女王の死で心を閉ざした普通の人。
イヤーゴ
アニメ版では小賢しいオウムでしたが、実写版ではただのオウム。
イヤーゴによるコメディシーンは全カット。
アニメ版においてジャファーとともに城を去るシーンで、ジャファーとの思い出の写真をもっていくかどうか悩むシーンは面白かったのに…。
歌詞が違う
実写版は美女と野獣でもそうでしたが、歌詞がかなり違います。
アニメ版を観すぎた私には、歌詞が違うことが逐一気になり、前の歌詞のほうがいいと感じてしまいました。
アニメ版の和訳歌詞はずっとダサいと言われています。
確かにかなりダサい。
♬A WHOLE NEW WORLD~
→おお~ぞ~ら~
ですからね。かなりダサいです。
でも、音を寄せているところがあるのです。
大きく母音を分けると
英:あ お う あ
日:お お お あ
似せて、日本語で表現する限界が大空だったのではないかと思いました。
山寺宏一さんは物まねがお上手ですが、英語版の発音の雰囲気やニュアンスまでしっかりコピーして歌ってくれます。
だからこそ、フレンドライクミーでは実写版の語感の悪さが目立ちます。
英語版も多少歌詞が違う部分があるのですが、日本語版はかなり違います。
なぜ実写版でそこまで歌詞を変えてしまうのか。
よくわかりません。
ちなみに、山寺宏一さんの吹き替えはアニメ版ジーニーではなく、実写版というかウィル・スミス版ジーニーの声で吹き替えていて、さすが山ちゃん!と思わされました。
アニメ版と実写版、音もかなり違います。
実写版の方がポップス寄りな軽い音になっています。
そこも私にはがっかりポイントでした。
もしかして劇団四季版を参考に作られている?
おわりに
実写版とアニメ版ではストーリー展開も違ったりします。
その違いを楽しみに行くのであればアニメ版を観てからいくとかなり違うので楽しめるかと思いますが、失望もすると思います。
あまりアラジンを観たことがない人や、ざっくりとストーリーや曲を知っている人は、おさらいせずに観たほうが楽しめると思います。
完全に別物ですからね。
2019年8月公開のライオンキングもキャラクター削減やコメディノリ部分の削減、歌詞の違いが結構ありますね…。
原作ファン置いてけぼり…。
原作の音楽に協力したエルトン・ジョンも、実写版には「かなり失望した」と言っています。
(エルトン・ジョン、実写版『ライオン・キング』には「かなり失望した」と語る)
原作と、改編実写版は制作陣が相容れない形となっているように感じました。