誰でも鍛えられる仕事において重要なスキルとは
仕事においてIQだけではなく、心の知能指数が重要であることはご存じでしょうか。
心の知能指数(Emotional Intelligence Quotient: EQ)、情動知能指数(Emotional Intelligence: EI)。
EQについてはこちらをご覧ください。
EQをご存知ですか?知能はIQの高さだけでは測れない - オオカミの皮を着たヒツジの観察日記
ものすごく簡単に説明すると、人の考えや行動は感情を介して発現していて、EQが高ければ感情や行動の発現を理解してコントロールでき、対人関係においても有効に働く能力のことです。
就職活動などにおいて、学歴やペーパーテストなどにおいて人を評価していますが、実際に仕事をしていると学歴や勉強の出来不出来は仕事にあまり影響しないことを感じられたことがありませんか?
今回は、心の知能指数、EQが仕事において重要であるということについてまとめました。
EQが高いと業務効率が良く、ストレス耐性も高い
EQが高い人は自身の感情を知覚し、理解し、コントロールします。
仕事から生じるネガティブな感情に対し、EQが低い人はネガティブな感情から発現する行動に移ります。
例えば、逃避したり、何かを抑圧したり、合理化したりして、仕事関連のストレスを高めてしまいます。
行動やストレスにより、EQが低い人は業務効率が低下してしまいます。
EQが高い人は、仕事から生じるネガティブな感情に対し、感情の捉えなおしなどをして、ストレスの低減や業務効率が上がるような感情へとコントロールします。
例えば、何かに失敗したときにそのままネガティブになるのではなく、失敗したけど次は成功するかもしれないと捉えなおして次の行動に移すなどです。
また、EQが高い人は、熱意やポジティブ感を表現することにより、業務目標や目的を他者に伝えるのがうまく、周囲の人の職場環境への適合を手助けすることも得意といわれています。
EQが高い人はEQが低い人に対し、より強い人間関係を築き、より効果的にリードし、より多くのキャリア成功を経験し、より良い健康的な生活を享受すると報告もあります。
EQが高いと高いリーダーシップを発揮する
EQが高い人は自身の感情だけでなく他人の感情の察知や理解、コントロールにもたけています。
EQがどのように高いリーダーシップに影響するのかいくつかの項目にまとめました。
あいまいな感情を生み出す事象に対する感情的リード
どう行動したら正解なのかわからなくなるような事象、自分の感情や自分が置かれている状況を理解できなくなることはありますよね。
このあいまいな感情を生み出す事象に遭遇すると、感情がわからないため行動に移らなかったり、わからないという状況に自信をなくしてしまうケースがあります。
EQが高いとこのような状況でも冷静に自身の感情や同じ状況に置かれている他人の感情を知覚し、理解し、行動に移すことができます。
リーダーシップとしては、チームメンバーがあいまいな感情に陥っていることを察知し、どうしたらメンバーが行動に移せるか、どうしたらメンバーが自信を取り戻せるかを考え、メンバーの感情を導くような行動をとります。
ここでいう行動というのは、何かをするということだけではなく、自信や熱意などの感情を表情や姿勢、動きで表現することも含まれています。
例えば、メンバーの「どうしよう」「どうしたらいい?」という雰囲気、表情があった際、それを察知できず放置したり、察知しても自分もどうしたらいいかわからないというリーダーでは、メンバーからの信頼は得られません。
「大丈夫!」「いける!」という自信の表情や「そのままでいいよ!」という声かけ、指示が出せれば、メンバーも次の行動に移せたり、自信を取り戻したりでき、信頼関係の構築ができます。
メンバーのあいまいな感情を察知して、リードするために自分使い表現する。
EQの高いリーダーにみられる行動です。
チームのつながり、感情表現度合い
チーム内において、楽しさや笑顔、やる気や時には戸惑い、悲しみなどの感情表現を自由にできる空気はありますか?
他人にもEQを効果的に使うには、感情が表現されていなければ、知覚するのもコントロールするのも難しいですよね。
EQの高いリーダーはチーム内の感情表現を自由にする傾向があります。
自由にされた感情をコントロールするということです。
自由な感情表現がチームのつながりを強固にし、信頼関係にもつながります。
メンバーの笑顔を吸い取るようなリーダーをだれもフォローしませんよね。
惹きつける力と共感性
カリスマ的リーダーシップという言葉が少し前に流行りましたよね。
人を惹きつける力がリーダーシップには必要だということです。
EQが高い人は共感することで安心感や信頼感を構築し、チームメンバーを惹きつけます。
「この人ならわかってくれる」「この人なら信頼できる」とメンバーから思われたらもうメンバーはリーダーに惹きつけられています。
次はメンバーに共感してもらう番です。
EQが高い人は熱意を表現することが得意です。
リーダーが仕事の目的や目標を理解し、熱意として表現し、ビジョンを共感してもらい、仕事の重要性を正しく認識してもらうことができます。
仕事の目的や目標を理解してもらえたら、成果が上がらなかったり失敗したり等でメンバーの士気が下がっている時も、感情の捉えなおしを促すことで感情をコントロールし、士気を上げることもできます。
例えば、目標値10に対し、半期で3の成果を上げていた場合、「3しか上げていない」とネガティブな感情が沸いてしまいますが、「あと7しかない。成果は0ではない」とポジティブ変換させることができるということです。
番外編:共感?
リーダーシップに共感力が大切だということは以前から言われていることですが
A「パソコンが壊れちゃって…」
B「わかるー私もこのまえiPhone画面ぶち割れたぁ~」
これは共感ではありません。
BはAの出来事や感情に共感しているのではなく、自分のものが壊れた話をしているだけです。
A「パソコンが壊れちゃって…」
B「え!壊れたの?大変だね」
これはBはAに起きた出来事について話していますし、Aに寄り添う発現をしているため共感しています。
どれほど相手の気持ちが理解できたとしても、「あなたの気持ちがわかります」は使わないほうが無難だと思いまうす。字面は共感している感じがありますが、「わかるわけないでしょ」と相手に思われる可能性が高いです。
おわりに
EQが仕事において重要であるということを述べてきました。
ですが、仕事においてEQだけがたかければいいということではありません。
IQやEQや人格などの要素が合わさってパフォーマンスに表れています。
IQを後天的に伸ばすのは難しいですが、EQはトレーニングにて伸ばすことができる能力です。
感情を知覚し、もしネガティブな感情なのであれば、感情をとらえなおしするという作業を繰り返すことでトレーニングできます。
トレーニング本もありますので、もっと能力を伸ばしたいとお考えの方はぜひお試しください。