「逃げてもいいんだよ」逃げることは人間の本能。ハラスメントからは逃げよう。
ハラスメント。
いやがらせ。
パワハラ、セクハラなどは良く聞きますが、今や30種類以上のハラスメントがあるようです。
Wikipediaにもかなり登録されていますね。
過去に私もハラスメントを受けて、設置されていた相談機関に相談して解決しました。
誰が受けてもおかしくありませんし、誰がやってしまってもおかしくありません。
欲が出てくれば加害してしまうことは誰しもあることだと思います。
発した言動を相手がどう処理するかなどというところは運の要素もあるかもしれませんね。
受けたハラスメントと、相談してどうなったのかを綴っていきます。
もくじ
どういうハラスメントを受けたのか
私は大学院時代(修士課程)にアカデミックハラスメント、アカハラをうけました。
大学時代、教授に「就職先が決まりました」と明かしたときに、すでにこのハラスメントのレールに乗ってしまっていたんだなと今になって思います。
私 「就職先がきまりました。」
教授「え?進学でしょ?あなたが就職なんてありえない。来月大学院進学の説明会があるから話を聞いてきて。わけわかんないところに就職だなんてもったいない。あなたは研究者になるって決まっているのよ」
正直怖いと感じていましたが、学内1厳しい研究室で、学会内でもトップクラスにいる教授からそのような言葉をいただいたので、自分では気が付いていない何かがあるのかなと思い、両親に相談をして進学を選ぶことにしました。
(この時決まっていた就職先には申し訳なかったですが、現在事業縮小しているようなので逆に良かった?)
大学院に進学し、修士論文のテーマを考えるために日々論文を読み漁り、毎週の集まりで提案するの繰り返し。
同じ研究室から進学した先輩方は、ほぼ卒業論文の延長を修士論文のテーマにしていたので、私もそのノリだったのですがNGが入り闇雲に論文を読んで勉強する毎日。
毎週毎週ひねり出した研究テーマを提出するも一瞬で蹴散らされる。
それはもうわかっていました。
学会内でトップクラスの教授が、自分の教え子にテキトーなテーマをやらせるはずがないのです。
研究テーマ提出期限ギリギリまで、教授が何か研究テーマを思いつくのをひたすら待ち、ひたすら耐えました。
提出期限2週間か1週間前頃やっと教授から研究テーマについて思いついたので部屋に来てほしいと呼ばれ、話を聞きましたが、研究テーマに対して全く腑に落ちませんでした。
なんとなく、結果がわかるというか、比較する2群間に差がでないだろうと思っていました。
それでも教授はやる気満々で、教授が研究に必要な機材を購入したのですが、購入した機材だと研究テーマにあう実験ができない…。
高額なのになんて物を買わされているんだ…。
もう不信感しかなく、でもやるしかない泥沼のなかでひたすら走っていました。
そんな中、時期的に就職活動をするシーズンになりました。
教授にそのことを伝えると
私 「明後日は就職活動のため研究室に来られません。」
教授「はぁ?あなたは進学でしょ。進学以外認めません。」
私 「え、うちの大学修士課程までしかないじゃないですか」
教授「ほかの大学でもなんでも受けられるでしょ、馬鹿か?」
私 「でも、研究テーマもまともに浮かばなかったし、研究者になれるような気がしません…」
教授「まだ二十数年しかいきていないような奴が、向き不向きを自分で決めるな。」
私 「うーん、でも…」
教授「あー!結局は金か!!!!!!」
私 「いや、そういうわけでは…」
教授「結局金なんだな!!!!!!」
もうかなりグサッときました。
研究テーマを決める段階でも、自身の今後の人生についても、人格を否定されるようなことばかり…。
(でも向き不向きを自分で決めるなという言葉は不覚にも心に響きました。)
周囲からすると「え?こんなこと?」と感じるかもしれませんが、やはり感じ方はひとそれぞれで…。
もうやっていられないと思い、他研究室の修士仲間のところへ避難してあったことを話すことに。
これが私にとっていい方向に向きました。
ハラスメント防止対策委員会への相談
他研究室の修士仲間のところへ相談しに行ったときに
こんな一言をもらいました。
「え!そんなのひどいね!うちの研究室の先生はハラスメントの委員会やってたと思うよ。相談してみなよ」
そんな委員会があったことも知らなかったし、これをアカデミックハラスメントとして相談していいのかもわかりませんでしたが、相談してみることに。
ハラスメントとして相談するためには、いつ誰が誰に対しどんなことをしたのかをはっきりさせなければなりません。
自身で日記はつけていませんでしたが、思い起こしていつ頃どんなことを言われたのか相談しました。
うちの大学の場合学内の先生がハラスメント対策委員会の会員として話を聞いてくれるので、完全に第三者というわけではありませんが、学内の先生ということは、相談者が話している対象について良くも悪くも会員の先生も印象をもっているので話しがはやかったです。
本来は第三者機関とかのほうがいいのかな?
この会員の先生は対象の教授に対しものすごく悪い印象をお持ちでした 笑
今まで起きたことを、研究テーマが決まるまでの流れについてと就活について相談しました。
「ひどいね」
その一言をもらっただけで、涙がこぼれそうになりました。
あ、やっぱりこれひどかったんだ。
我慢し続けたらおかしくなっていたかもしれない。
私の心も人生もおかしくなっていたかもしれない。
「今もらった情報は、あなたの一方的な情報なので、そこはちゃんと教授や周辺のひとの話も聞いて出来事をみていきますね。それをまた客観的にみて、どういう措置がいいのか決定していく感じになりますが、あなたはどうなるのがのぞましいですか?」
どうなるのが望ましいか。
教授をどうにかしてほしいとかではなく、私はとにかく逃げたかった。
「逃げたいです。研究室を変える権利をください。そして、ものすごく頑張るので、ちゃんと修士2年で修了させてほしいです。今4月なので、5月中頃までには所属研究室と研究テーマを提出します。もし内容が不十分で修了できないのなら仕方ありませんが、この耐え抜いた1年のせいでまた0からやるというのはあまりにもひどい気がします。」
希望を伝えました。
「わかった。頑張る」
なんていい先生なんだ!!!
そしてかなり早く確認作業等進み、ほぼ私の希望通りの内容で処置がされました。
相談してみてわかったこと
ハラスメントを受けている本人は、ハラスメントを受けている状況を当たり前だと感じてしまい、“普通”がわからなくなります。
これって“普通”じゃなかったんだと、他者に相談してやっと気づけました。
目からうろこのような感覚。
おわりに
ハラスメントに耐え抜いて耐え抜いて自分を追い込んで、心や身体を壊してしまったり、人生を終わらせてしまう方がいます。
どうか、どうか、おねがいです。
相談してみてください。
報復が怖いという気持ちはありました。
それでも、相談して本当に良かったと今は思っています。
会社でハラスメントを受けて退職される方もいらっしゃると思います。
ぜひ、相談窓口に話をしに行ってください。
あなたがいなくなれば、また次の人が被害に遭います。
社内や学内でハラスメントのうわさがあったとしても、正式に依頼を受けないと誰も動きません。
ハラスメント加害者は、のうのうとその地位に居座り続けます。
人間は他人の力では変えられません。
ハラスメントを繰り返す人は、おそらく変わらず、ハラスメントし続けるでしょう。
だからこそ、害を加えにくい場所への人材配置を依頼するのです。
Fight-or-Flight
戦うか逃げるか。
危機に直面した時の動物の本能です。
まず逃げて自分の身を守りましょう。
後日談
ちなみに、教授から与えられた研究テーマは、私が修士2年になったころに入ってきた方が引き継ぎました。
この人もかなり嫌なタイプで、私に対する悪い話をいろんなところでしていました。
むろん私のほうが株価が高いので、誰も信じていなかったようですが。
私はこの研究テーマの穴に気づいていたので、嫌な後輩を公開処刑しようと思い、後輩の修士論文発表会に行き、研究の穴と行き届いていない考察について質問をし、回答できない後輩をみて、心の中で「ざまぁみろ!」でした。
ハラスメント対策委員会で大変お世話になった先生のもとで
「あの質問超面白かった。ありがとう。いいもの見れたわ」
と絶賛されました 笑
ほかの教授からも言われて、いいエンターテイメントになってよかったです。
よほど嫌われていた研究室だったのですね。
本当に逃げられてよかった。